saunter




君と二人、手を繋いで。



「佐藤?」

「お晩どすー」

夕日が沈み、茜色の空が群青色になって。

太陽の恩恵をまた明日に見送った辺りは、急速に気温を下げていた。

不破家の少々特殊な形をした玄関から、呼び鈴により顔を出した不破へ笑顔を見せる。

「どうした?」

「ちょっとデートせえへん?」

突然のお誘いにも顔を顰めずに―もともと表情は読みにくいが―、待っていろ、と家の中へ戻った不破がジャケットを羽織って現れた。

「…お前は寒くないのか?」

「平気平気。長袖着てるやんか」

「寒がりなのに薄着なのはどうかと思うが」

「ええの!」

そんな取り留めのない会話をしながら不破を連れ出して。

行き先なんか決めていない。

ただこの冬の町並みを不破と歩く、その時間を求めていた。

「ひゃー、寒っ」

時折吹き付ける容赦のない北風に首をすくめ、体を縮めて。

だから言っただろう、という不破の視線に笑ってみせる。

さすがに少し後悔したけれど。

「手袋でもマフラーでもあると違うだろう?」

少しだけ呆れたような声を出す不破に、せやな、と返しながら。

「でもなマフラーはええけど…」

ポケットにいれていた手を取り出して。

ゆっくりと。

そっと不破の手に触れ、手を、繋ぐ。

――手袋しとったら、手ぇ繋ぐ言い訳、なくなるやん?

なんて、自分でも赤面してしまうような回りくどい言い回し。

その言葉に暫し目を瞠っていた不破が、柔らかく、笑んだ。

やがて強く握り返され伝わる手の温もりに、身体の芯まで温められていく。

それを心の底から至福に感じながら。

「月が綺麗やなー」

成樹の言葉に視線を上げた不破の頬に、口付けた。





君と二人、手を繋いで。



遮るものなど無いのだと。

たとえそれが、自己満足であっても。

愛しさの感情を溢れさせてくれる、大切な君と。





君と二人、手を繋いで。



君と二人、心を繋いで。



















*****2005/12/31
まーた甘いんだか温いんだか分からないですが作ってしまいました。もう意地ですね!笑。
シゲちゃんのバースデーに何もしてあげられなかったのが悔やまれてこれを書き上げたなんて内緒です。
いつもいちゃいちゃしてるといいよ!笑。
そんなこんなで、またお付き合い有り難う御座いました!
お粗末様でした☆