tactics
「やから平気やて」
「そう見えないから言っている」
「心配性っつか、過保護やで、かーほーごー。そないにヤワに出来てへんわ」
「まだ時折右肩を庇っているだろう」
「暫く使うてへんから癖がついただけや。何ともないわ」
先程から止まることなく続いていく攻防戦の様な会話。
自分も同じだけの荷物を持って置きながらの不破の言葉。
このままでは少しも話が先に進みそうに無い。
自分は勿論だが、不破も全く折れる気が無いらしい。
一つ溜息を落とし、そして思いつく。
「なぁなぁ不破」
「何だ」
「荷物と手、どっちがええ?」
数センチの身長差。
柔らかな笑顔で見上げ、不破に向かって小さく伸ばす右手。
一瞬状況が分からず呆気にとられている不破に、確信的な勝利を意識する。
程なく自分よりも温かい体温の指から、熱を与えられた。
駆け引きに勝利し、その熱に満足した成樹の左手から不意に重みが消えた。
「なっ!」
「両方だ」
いつの間にか消えた重みは、不破の繋がれた手の反対側。
その行動に成樹はまた一つ、溜息を落とす。
「…甘やかすと癖になって後から後悔すんの自分やで」
「そうかもしれないな」
微かに笑みを見せたその表情には、負の感情は少しも入っていない。
まるでそれを待っているかの様に、楽しみしているかの様にすら見て取れる。
魅入るように、吸い込まれるように、その笑顔を成樹は見ていた。
「その時は同じだけ甘えさせて貰う」
ちゅ、と掠める様に唇に何かが触れた。
「っ!!!」
不意打ちに対する驚愕と羞恥で咄嗟に繰り出した拳。
見事に決まったかかわされたかは、ご想像にお任せ。
*****2006/06/10
今日は時の記念日です。みなさん、時間を大切にしましょう。
すいません、まったく関係ないです。シゲが赤くなる話でした。
この話はとある師匠Tとソーラーカーだん吉ロードめぐりをしてる時に出来たものです。
荷物と手、という台詞を使いたいが為に前後が全く話の見えない感じに。。
え、それはいつもで…すか…。
悠ちゃん、お待たせしてごめんね!短くて恐縮ですがもらってください!
これからも共に佐藤を愛でましょう!(笑)